心臓が動く際には、心臓内の決まった場所から電気の命令が出てきます。
その命令が一定のルートで流れて広がっていき、その広まっていく電気の命令に従って、心臓の筋肉が秩序だった収縮をします。筋肉の秩序だった収縮により、血液が効率よく身体の各所に送り出されます。
本来、電気命令を出さない部分から電気命令が出たり、命令がうまく伝達されなかったりすることがあり、通常の伝達系統以外の電気の流れをするのが不整脈です。
多くの方が無自覚のうちに起こっていますが、動悸などの自覚症状を感じる方もいます。
また、心臓内で血液がスムースに流れなくなり、血の塊ができて脳梗塞の原因になることもあります。
その他にも、心機能の低下、失神、突然死等の心事故につながることもあります。
不整脈の検査は、以下2点を調べるために、心電図(安静時、運動負荷試験、24時間記録、携帯型自己記録)、心臓超音波などを必要に応じて行います。
検査の結果、ほとんどの方は治療が不要です。
しかし、治療をしないと心事故の危険性がある場合や、心事故の危険性はないものの自覚症状が生活に影響するような場合には、患者さんと相談して治療を行っています。
薬で不整脈の出現を抑えたり、脳梗塞などを起こりにくくしたりするだけです。
不整脈の治療で使う薬は、副作用の強いものも多いため、必要な方にのみ使用します。
使用する場合も、効き方、量、服用する時間などを、患者さんの個々の状態に応じます。
ペースメーカの挿入、心臓の良くない電気の流れの部分を治す手術などが必要な方は、循環器専門医の中でも、特に不整脈を専門としている医師に紹介しています。